PowerPointで正確な1/4円(四分円)を図形を組み合わせて作る方法をご紹介します。
図形の「部分円」でアバウトな1/4円を作ることはできますが、もっと正確に作りたいという方におすすめのテクニックです。
合わせて、PowerPoint VBAを使って1/4円を作るマクロと1/6円の作り方もご紹介します。
1/4円を適当に作る
図形の「部分円」を使うとアバウトな1/4円を作ることができます。
「ホーム」タブ →「図形描画」グループ →「図形ツール」→「基本図形」→「部分円」を選択します。
スライドをクリックすると「3/4円」が描けます。右側の調整ハンドルを180°回転させると1/4円に変形することができます。
しかし、調整ハンドルが円の1/4の位置でぴったり固定されないので、目分量で合わす必要があり調整に手間がかかります。
プレースホルダーも余白が多くなり、位置合わせがしづらい形状になるため、あまり美しい作り方とは言えません。
1/4円を正確に作る
図形を組み合わせて結合すると1/4円を正確に作ることができます。
「基本図形」→「楕円」を選択します。
スライドをクリックすると正円が描けます。
続いて、「基本図形」→「L字」を選択します。
スライドをクリックすると正円と同じサイズのL字が描けます。
正円とL字を整列で揃えます。見やすくするためにL字の色を変えています。
正円 → L字の順に選択し、「描画ツールの書式」タブ →「図形の挿入」グループ →「図形の結合」→「単純型抜き」を選択して結合します。
1/4円の完成です。
マクロで1/4円を作る
1/4円は、マクロを使うと自動で作れます。図形の結合で作ると手間がかかる為、頻繁に作るのであれば自動化しておくのがおすすめです。
コード
Sub 図形の1分の4円を作成() Dim n As Long Dim w As Double Dim h As Double Dim diameter As Double Dim shp As Shape '選択中のスライド番号を取得 n = ActiveWindow.Selection.SlideRange.SlideIndex 'スライドサイズ取得 w = ActivePresentation.PageSetup.SlideWidth h = ActivePresentation.PageSetup.SlideHeight '円の直径「cm」を入力 diameter = 6 '直径を「pt」に変換 diameter = Round(diameter * 720 / 25.4, 1) With ActivePresentation '正円を作成 Set shp = .Slides(n).Shapes.AddShape( _ Type:=msoShapeOval, _ Left:=(w - diameter) / 2, _ Top:=(h - diameter) / 2, _ Width:=diameter, _ Height:=diameter) '図形の色 shp.Fill.ForeColor.RGB = RGB(0, 0, 0) '図形の線なし shp.Line.Visible = msoFalse '図形の名前 shp.Name = "shp1" '長方形を作成 Set shp = .Slides(n).Shapes.AddShape( _ Type:=msoShapeRectangle, _ Left:=(w - diameter) / 2, _ Top:=(h - diameter) / 2 + diameter / 2, _ Width:=diameter, _ Height:=diameter / 2) '図形の名前 shp.Name = "shp2" '長方形を作成 Set shp = .Slides(n).Shapes.AddShape( _ Type:=msoShapeRectangle, _ Left:=(w - diameter) / 2, _ Top:=(h - diameter) / 2, _ Width:=diameter / 2, _ Height:=diameter) '図形の名前 shp.Name = "shp3" '3つの図形を単純型抜き .Slides(n).Shapes.Range(Array("shp1", "shp2", "shp3")) _ .MergeShapes (msoMergeSubtract) End With End Sub
実行結果
マクロを実行すると、スライドの中央に黒色の1/4円が作成されます。
1/4円の幅は「diameter(直径)」の値の1/2になります。
- PowerPoint 2016 for Macでは「MergeShapes」メソッドが使用できないため、コンパイルエラーになります。
1/6円を作る
1/6円はSmartArtを使うと簡単に作れます。
「挿入」タブ →「図」グループ →「SmartArt」をクリックします。
「SmartArtグラフィックの選択」ダイアログが開くので、「循環」→「円グラフ」を選択して「OK」をクリックします。
SmartArtがスライドに挿入されます。
SmartArtを選択した状態で、「SmartArtのデザイン」タブ →「グラフィックの作成」グループの「図形の追加」を3回クリックして円を更に分割します。
円が6分割になりました。右中央の1/6円を選択し、「Ctrl + C」キーでコピーします。
SmartArtを削除し、「Ctrl + V」キーでペーストします。
現状プレースホルダーと図形のサイズが異なり整列ができないので、プレースホルダーを図形にフィットさせます。
「Ctrl + Shift + G」キーでグループ化解除すると、1/6円と透明のオブジェクトに分かれます。
1/6円、透明のオブジェクトの順で選択し、「図形の書式」タブ →「図形の挿入」グループ →「図形の結合」→「接合」を選択して結合します。
1/6円の完成です。