PowerPointでは画像とトリミング枠がセットになっています。画像を回転させるとトリミング枠も回転するので、斜めにトリミングするには工夫が必要になります。
今回は、画像を斜めトリミング、図形でマスク、対角線上にカットする方法を解説します。
画像をトリミングする
鳥の画像を用意します。

トリミングだけに!
トリミングを行うには画像を選択し、「図ツールの書式」タブ →「サイズ」グループ →「トリミングアイコン」をクリックします。
通常トリミングは画像に対して平行か垂直にしかできません。
Illustratorではマスク用の図形を別で作りますが、PowerPointでは始めから画像がマスクされた状態になっていて分離させることができません。
よって、画像を回転させてもトリミング枠が一緒に回転するので、画像に対して平行か垂直にしかトリミングできません。
画像を変換して斜めトリミングする
トリミングしたいラインが水平になるように画像を回転させます。今回は上半身を残して赤の点線の位置でトリミングします。
画像を選択して「Ctrl + C」キーでコピーします。
スライドを右クリックしてメニューを開き、「貼り付けのオプション」→「図」を選択します。
画像が「PNG画像」で貼り付き、プレースホルダーが平行になりました。
後は通常通りトリミングすればOKです。
回転させた画像に対して平行にトリミングができるようになったので、実質元画像を斜めでトリミングする状態と同じになりました。
イメージしたラインでトリミングができました。
角度を元に戻して「斜めトリミング」の完成です。
図形に合わせて斜めトリミングする
「図形に合わせてトリミング」する方法でも斜めトリミングが可能です。
画像を選択し、「図ツールの書式」タブ →「サイズ」グループ →「トリミング」→「図形に合わせてトリミング」→「ひし形」を選択します。
画像がひし形でトリミングされました。ひし形でトリミングすると4辺どこでも対応できます。
トリミング枠を変形させて調整します。
「斜めトリミング」の完成です。
Excelで斜めトリミングする
PowerPointで斜めトリミングした画像をExcelにコピペもできますが、Excelでも前項の2つの方法で斜めトリミングすることができます。
円に沿ってトリミングする
「図形に合わせてトリミング」する方法で円を選択し、円の中から鳥が顔を出してる風にトリミングすることもできます。
トリミングしたい画像を選択し、「図ツールの書式」タブ →「サイズ」グループ →「トリミング」→「図形に合わせてトリミング」→「楕円」を選択します。
画像が丸くトリミングされました。
トリミング枠を正円にしたいので、「縦横比を固定する」のチェックを外し、「高さ」と「幅」を同じ値にします。
トリミング枠が正円になりました。それと引き換えに画像が縦長になってしまったので元の縦横比に戻します。
画像を選択し、「図ツールの書式」タブ →「サイズ」グループ →「トリミング」→「塗りつぶし」を選択します。
画像の縦横比が元に戻りました。
続いて、円の中から鳥が顔を出してる風感を出すために円の背景を塗りつぶします。
画像を選択し、「図の書式設定」ウィンドウ →「図形のオプション」→「塗りつぶしと線」→「塗りつぶし」→「塗りつぶし(単色)」を選択してお好みの色で塗りつぶしましょう。
- 画像の透過部分に塗りつぶしが設定できるのがポイントです。
続いて、画像のトリミング位置を調整します。
画像を選択し、「図ツールの書式」タブ →「サイズ」グループ →「トリミング」の上のアイコンをクリックします。
トリミング枠内の画像の位置やサイズが調整できるようになったので、いい感じに円の中から顔が出るようにします。
調整ができたら完成です。円の図形を画像の背面に重ねずに、画像の設定だけで作るテクニックです。
連続した図形で写真を斜めにマスクする
上図のように写真を連続した平行四辺形でマスクすることもできます。
まずは、図形の中に挿入する写真を用意します。
続いて、「ホーム」タブ →「図形描画」グループ →「図形ツール」→「基本図形」→「平行四辺形」を選択します。
平行四辺形を少し間隔を開け、写真のサイズに収まるように等間隔で並べます。並べた平行四辺形は全てグループ化しましょう。
図形の中に挿入する写真を「Ctrl + C」キーでコピーします。
グループ化した平行四辺形を選択し、「図の書式設定」ウィンドウ →「図形のオプション」→「塗りつぶしと線」→「塗りつぶし」→「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」→「画像ソース」の「クリップボード」をクリックします。
写真が連続した平行四辺形でマクスされた状態で図形内に挿入されました。
グループ化を解除すると、写真も個々の図形に挿入された状態になってしまうので注意が必要です。
対角線上に写真をカットする
写真を対角線上にカットして左上の三角形または右下の三角形の部分だけを残すトリミング方法です。
左上の三角形を残してトリミングする
写真を右上から左下へ対角線上にカットして左上の三角形を残してトリミングします。
写真を選択し、「図ツールの書式」タブ →「サイズ」グループ →「トリミング」→「図形に合わせてトリミング」→「斜め縞」を選択します。
写真を「斜め縞」でトリミングしたら、左中央にある調整ハンドルを写真左上の頂点まで移動させます。
左上の三角形を残してトリミングができました。
右下の三角形を残してトリミングする
写真を右上から左下へ対角線上にカットして右下の三角形を残してトリミングします。
写真を選択し、「図ツールの書式」タブ →「サイズ」グループ →「トリミング」→「図形に合わせてトリミング」→「二等辺三角形」を選択します。
写真を「二等辺三角形」でトリミングしたら、上中央にある調整ハンドルを写真右上の頂点まで移動させます。
右下の三角形を残してトリミングができました。
対角線上に分割した2つの写真を合成する
合成する2つの写真のサイズがバラバラだとずれてしまうので、トリミングを行う前にサイズを合わせましょう。サイズが同じであればそのまま進めていただいて大丈夫です。
サイズの合わせ方は、次のチュートリアルをご参考にしていただければ幸いです。

2つの写真のサイズを合わせられたらトリミングを行いましょう。
対角線上に分割した2つの写真を合成する時は、どちらか一方の写真をトリミングし、もう一方の写真の前面に重ね合わせればOKです。
対角線上に分割した2つの写真を合成することができました。
トリミングを元に戻す
画像をトリミングした後に、元に戻したい時や最初からやり直したい時は、画像をリセットして挿入時と同じ状態に戻すことができます。
図のリセット
画像を選択し、「図ツールの書式」タブ →「調整」グループ →「図のリセット」→「図のリセット」をクリックします。
トリミングが元に戻りました。
図とサイズのリセット
画像を選択し、「図ツールの書式」タブ →「調整」グループ →「図のリセット」→「図とサイズのリセット」をクリックします。
トリミングが元に戻り、画像のサイズも挿入時のサイズに戻りました。
「図とサイズのリセット」は、変倍をかけて縦横比が変わってしまった画像を元の縦横比に戻すのにも有効です。