PowerPointでPDF変換時に起こる文字ずれやエラーの解決法と、その他の不具合をまとめました。
PDFとの互換性が完全ではないため、PowerPoint上とPDFに変換した状態ではテキストやオブジェクトに位置ずれや表示の違いが発生する場合があるので注意が必要です。
PDF変換時の不具合
フォント
- メイリオやフリーフォントなど、縦書き時に位置がずれる。
- MS Pゴシックなどのプロポーショナルフォント(文字毎に文字幅が異なるフォント)は、縦書き時に括弧がずれる。
位置や括弧がずれる場合の解決法は、次のチュートリアルをご参考にしていただければ幸いです。
パワポでMS Pゴシックの縦書き括弧がPDFでずれる時の回避テク

線
- 点線はスライドの拡大率によって見え方が変化するので、PowerPoint上とPDF変換時では点線の間隔がずれる。
- PowerPoint上では点線に見えるが、PDFに変換すると直線になってしまう。
PDFに変換すると点線が直線になる場合の解決法は、次の記事で解説しています。
PowerPointでPDF変換時に点線がつながるバグの解決法

塗りつぶし(パターン)
- スライドの拡大率によって見え方が変化するので、PowerPoint上とPDF変換時では表示が異なる。
- 細かなパターンはモアレが出てきれいに印刷ができない。
ストライプなどのパターンは、塗りつぶし(パターン)で作らず、オリジナルで作るのがおすすめです。
詳細は、次の記事で解説しています。
PowerPointで縦・斜めストライプを作り太さ調整する方法

グラデーション
- 既定のグラデーションの「上スポットライト」「下スポットライト」の設定が、中央から始まるグラデーションになる。
AcrobatでPDF変換してみよう
PowerPointからPDF変換するのではなく、Adobeが提供するAcrobatのオンラインサービス「オンラインでPPTをPDFに無料で変換」を試してみましょう。
サイトにアクセスすると下図の画面になるので、pptxファイルをドラッグ&ドロップすると自動でPDFに変換されます。
1回目のPDFのダウンロードはAdobeにログインせずに行えますが、2回目以降はログインが必要になります。
ログインすると上図の画面に移動し、PDF変換やダウンロードができます。オンラインでのPDF変換サービスは期間限定のようです。1日に10個まで変換できるので、期間限定中にお試しで使用するとよいでしょう。
上図の作例は、メイリオの縦書きをPowerPointでPDF変換した時とAcrobatでPDF変換した時の比較です。PowerPointでは見事にずれましたが、Acrobatではずれずに変換できました。
PDF変換時にエラーになる
PDF変換時にエラーになる場合の解決法です。まずは、新規ファイルがPDFに変換できるか確かめてみましょう。もし変換できるのなら、変換できないファイルのオブジェクトに問題があると予想されます。
エラーの原因を探る方法
Illustratorで作った複雑なパスのオブジェクトをスライドに貼り付けると、エラーになる場合があります。Illustratorから貼り付けたオブジェクトをすべて削除してPDFに変換してみましょう。
変換できれば、削除したオブジェクトの中にエラーの原因が含まれていることになります。今度は逆に先ほど削除したオブジェクトだけを残してPDFに変換します。エラーになれば、やはりそのオブジェクトの中にエラーの原因が含まれていることが断定できます。
エラーの原因になるオブジェクトが絞れたので、後は「一つずつオブジェクトを削除」→「PDFに変換するとエラー」を繰り返して問題がないオブジェクトを外していきます。その方法で最後まで残ったオブジェクトがエラーの原因です。
エラーの解決法
エラーの原因になるオブジェクトを「Ctrl + X」キーでカットし、スライドを右クリックしてメニューを開き、「図(PNG)」で貼り付けて画像化しましょう。
画像化することで、パスの情報がなくなりPDF変換できるようになります。
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